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2023年度 第2回研究会 報告



3月29日(金)19:00‐20:40、2023年度第2回目の研究会がオンラインで開催されました。

当日のプログラムは、以下の通りです。


第1報告 松本 いく子(上智大学大学院実践宗教学研究科博士後期課程)

「マーシャル諸島の核実験被害者と太平洋非核独立運動~キリスト教系組織の貢献を中心に~」


第2報告 青木 繁(東京工業大学大学院博士後期課程)

「里親養育活動と宗教者の社会貢献活動 ―天理教里親連盟への調査結果から―」




第1報告では、上智大学大学院の松本いく子氏より、マーシャル諸島の核実験被害者を支援した太平洋非核独立運動においてキリスト教コミュニティが大きな役割を果たしたことが報告されました。報告によれば、太平洋島嶼地域には、植民地化以前にキリスト教が宣教され、島の文化や伝統信仰と習合したキリスト教が島々の社会に根付いていたことから、太平洋教会協議会(Pacific Conference of Churches: PCC)が機能的に役割を果たし、世界教会協議会(World Council of Churches =WCC)を通じて国際世論に訴えることで、非核運動を成功させたということでした。さらには、「公共宗教」としてのPCC、WCCの役割についてもお示しいただきました。



続く第2報告では、東京工業大学大学院の青木繁氏より、天理教教会が積極的に行う里親養育活動についての報告がありました。天理教里親連盟に所属する会員(およそ620名)を対象としたアンケート調査をもとに、里親になった理由の多くが、「おたすけ・ひのきしん」や、教祖の教えへの共感などといった信仰心にもとづくものであること、そして、その背景には社会的弱者となった人を 「住み込み人さん」として教会で共に生活するという伝統が教団内にあることなどがあきらかになりました。


年度末でありながら、今回の研究会には26名の方が参加くださいました。初めて参加された方も多く、いずれの報告に対しても質問が相次ぎ、活発な議論が展開されたと思います。


また、研究会後の事務連絡の中で、長らく共同世話人を務めてきた白波瀬達也氏(関西学院大学)が下り、新たに井川裕覚氏(上智大学)が共同世話人に就任することが報告されました。新しい力でますます研究会を盛り上げていっていただきたいと思います。


ご参加くださった皆様ありがとうございました。次回もどうぞよろしくお願いいたします。

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