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2024年度 第1回研究会 報告

8月29日(木)18:30‐20:30、2024年度第1回目の研究会がオンラインで開催されました。

当日のプログラムは、以下の通りです。


第1報告 葛西 賢太(上智大学)

米国チャプレンの養成と就業


第2報告 高 天霖(北海道大学大学院博士課程)

寺院ボランティアと都市における 若者の「宗教」ニーズ ー中国の都市若者の仏教ボランティア実践を中心にー




第1報告では、上智大学の葛西賢太氏より、米国のチャプレンの養成と就業の実態ついて報告いただきました。近年、日本では臨床宗教師や臨床仏教師など臨床実践を行う宗教者が養成されていますが、その活躍の場は限定的です。宗教的なニーズが表出されやすい米国では、チャプレンの養成も体系化され、その雇用も安定的なものと思われていますが、葛西氏はこれまで17回にわたって開催してきたチャプレン研究会の蓄積をふまえ、有給のチャプレンは一部で、そうでないチャプレンも多いこと、チャプレンの活動の場は病院だけでなく、刑務所(日本でいう教誨師)や軍などもある一方、それぞれで求められる質も異なり、さらには養成においても機関や教派によって重視するものにばらつきがあることなどを整理して提示されました。




第2報告では、北海道大学大学院博士課程の高天霖氏より、中国・深圳の寺院でのフィールドワークをもとに、寺院ボランティアを行う若者たちの動機の分類から、都市の若者の宗教性について報告いただきました。そこでは、寺院運営にボランティアの手が必要であること、若者ボランティアの参加動機は、仕事のストレスに対する癒しを求めるためや、食事と住まいを得るため(住み込みのボランティアも多い)といった世俗的なものが多く、宗教性というよりストレス社会を生きるための若者の戦略的な側面があることが論じられました。


今回の研究会には23名の方が参加くださいました。初めて参加の大学院生の方や宗教専門紙の記者の方もご参加くださり、研究コミュニティの広がりを感じています。


次回は冬に開催できたらと考えております。

どうぞよろしくお願いいたします。

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